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NPO法人 西区ホタルの会は、北海道の自然が好きです。

エコロジー アンド ビヘイビアECOLOGY AND BEHAVIOR

習性と生態


オス
オスとメスでは発光する節が違います。
腹面にある発光器は、内側が発光細胞と反射細胞の二層になっており、中に気管や神経が集まっています。発光細胞は光を作り、反射細胞は反射板のような働きをしています。発光細胞にはルシフェリンという物質があり、それにルシフェラーゼという酵素が働いてオキルシフェリンという物質に変化するときに、生化学反応による発光が見られるのです。成虫だけではなく、卵、幼虫、サナギも発光します。雄は雌に比べて光の量が多く、盛んに飛んでいるのはたいてい雄のほうです。これに対して雌は光量も少なく、水辺の草むらに止まって光っています。
ホタルの交尾行動は種類によってかなり違いがありますが、ヘイケボタルの場合、飛んでいる雄は草むらで点滅する雌の光りに誘われて近づき、すぐに交尾行動を始めます。初めは雌の背に乗って交尾しますが、時間が経過すると互いに後ろ向きになります。交尾に要する時間には個体差があり、数時間から十時間以上になる場合もあります。交尾後、雌は水辺の苔などに50〜80粒ほど産卵します。産卵後はカ尽きて、短い成虫時代を終えます。したがってヘイケボタルの一生は、羽化から数えて10日〜14日が限度です。
水辺の苔に産みつけられた卵は、産卵後約1ヵ月してふ化し、小さな幼虫になります。幼虫は自ら水の中に入り、石かげなどに潜んで、9ヵ月もの長い幼虫時代を水中で過ごすのです。

メス

交尾の様子
体長は雄で8o、雌が10o程です。体は黒い色をしていますが、赤い前胸背板中央に太くて黒い縦条があり、発光器は雌では第6節、雄は第6と第7節にあります。卵の大きさは0.6o前後、乳白色球状で、交尾後すぐに産卵を開始します。卵は約1ヵ月後にふ化して小さな幼虫となります。
飼育の場含には、できるだけ自然に近い環境にしてやります。幼虫が終齢になるころ、バットのなかに上陸用の石を用意します。表面が割とザラザラしており、水面から少しだけ出るくらいの高さで、台形をしているものが上陸しやすいようです。こうやっておくと、幼虫は夜のうちに石の上に這い上がります。幼虫にとってこれは、水中でのエラ呼吸から成虫の気門呼吸への準備期間にもなります。ですから、一度上陸しても苦しくなって、また水中に戻ることを繰り返すのです。そのうち、土にもぐり込むチャンスを狙うようになります。
 できるだけ地表で土まゆを作らせるために、上陸槽自体を暗箱にするとか、飼育室を暗室にするという方法がありますが、地表を湿らせたミズゴケで覆ってしまうという方法もあります。ホタルにとっては、暗さが保たれることによっていつでも土に潜り込める状況になるほか、地表近くで土まゆ作りが可能になります。上陸槽の中の湿度を確保するため、時々噴霧器を使います。
上陸槽に幼虫を移すときは、一度に数をまとめて入れたほうが羽化時期がずれず、産卵させるためには適しています。上陸時期がどうしてもずれてしまう場合には、別の上陸槽を用意するか上陸槽内部を仕切って、別のスペースを確保しておくとよいでしょう。そうすることで後から上陸した幼虫によって、先に上陸した幼虫が作った土まゆを壊してしまうのを防ぐことができます。
 
成長には個体差が出ます

エサについて

幼虫の飼育

成虫になるまで

習性と生態

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