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NPO法人 西区ホタルの会は、北海道の自然が好きです。

オーダー トゥ ブリーディングORDER TO BREEDING

飼育するにあたって

  • エサを用意する

ホタルの幼虫は、生きた多くの巻貝を食べることから、飼育に必要なエサをあらかじめ用意しておく必要があります。
幼虫を飼育する器とは別に、貝の飼育や繁殖のための水槽を用意しなければなりません。室内で貝を育てるのはそんなに箇単なものではありませんので、「エサになる貝について」で書いたような方法をとります。
カワニナ、タニシなどは、一時的な飼育となりますので、一度に多くの貝を採集するのは避け、必要最小限にします。札幌近郊では、タニシは9月、カワニナは10月くらいで冬眠しますので、最後の採集はそれを限度とします。夏の盛りのうちに多くを採集しても、水質、水温の上昇による管理上の失敗がおきたり、狭い水槽で飼うことによって、酸素不足により全滅してしまうこともあります。


  • 飼育方法はできるだけ間単に


「初令幼虫〜終令幼虫」「蛹化〜成虫」「産卵〜孵化」の3つの段階に分けた飼育器で飼うようにするのが望ましいです。


  • 飼育に適した場所を選ぶ


ホタルの飼育には日光はあまり必要ではありません。直射日光を避け、涼しい場所を選ぶことが大切です。冬期間の室内温度が高すぎることがよくありますので、なるべく温度変化の少ない、ホタルにとって安定した生息環境の工夫が必要です。冬季間は飼育器の水が凍らなければ問題ありません、水温が下がれば幼虫も活動を休止します。そのためには、飼育器は少し大きめのものを使用するのが良いでしょう。ただしエサのインドヒラマキガイ等は水温が下がると繁殖しなくなるので、暖かいところで幼虫が休眠中に増やすようにしましょう。


  • 飼育における病害虫の予防と処置


幼虫時によく発生するものに、水かび病があります。ホタルの背に白い綿状のものが付着することがあります。水換えを怠り、水質が悪くなるのが原因です。
これは、市販のハイトロピカルを使って治せます。前ようからサナギになる時期に、潜土の中から発生するかびや微生物によって、土まゆが腐ったり、外部からの小さな昆虫によっても死滅することがありますので、最初に上陸槽に入れる土はしっかり熱消毒しておきます。
上陸槽や成虫時の飼育容器入れる水苔は、古いものは使わず、新しいものを良く洗い、灰汁抜きしてから使用します。卵のふ化率に影響します。ホタルの幼虫時代の天敵はよく解りませんが、ヒルやプラナリアはエサにする巻貝にとっては大敵です。タニシやカワニナを採集するときに一緒に紛れ込むことがありますので、ひと粒ずつ良く洗ってから飼育槽に入れます。



  • 飼育上気をつけること


生息地からの乱獲は避ける、エサとする貝も同様です。
野外からの採集は、繁殖を目的とするときだけにします。ホタルの生息地が限られているのと、生息数が少ないからです。飼育に当たっては、確保できるエサの量などによって、可能な範囲で飼育しましょう。一匹のメスの産卵で、50〜80位の幼虫が誕生します。きちんと飼育すれば6割くらいは終令幼虫に育ちます。上陸した幼虫のうち、8〜9割くらいは成虫になります。


ポイント

どんなに上手に飼育できたとしても、その方法や経過が記録されていないと、再現性の乏しいものになります。できる限り細かい観察記録を心がけてください。毎日の観察は成長過程を知ることであり、正しい生態観察につながります。
飼育のポイントとして記録されていれば、次回の飼育や他人との比較実験となって生かされるのです。


採卵用のセット、皿の上は湿らせたミズゴケ

白く見えるのが卵

エサについて

幼虫の飼育

成虫になるまで

習性と生態

飼育するにあたって


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